ジャーナルJOURNAL
コンクリートの圧縮試験結果
先日コンクリートを打設した,苦楽園の家Ⅱのコンクリートの圧縮強度試験の速報がでてきました.
出てほしい強度(呼び強度)が30N/mm2に対して,試験結果は37.2と3週間の段階で良い数値出ました.
でもこれは前回のブログにも登場した供試体の養生方法で15℃の現場水中養生という理想的な養生方法での強度で,実際のコンクリートは施工中にも打設したあとも,夏は太陽に焼かれ急速に表面が乾燥したり,冬は寒風にさらされ,気温が低く化学反応がなかなか進まず,表面は早めに乾燥してしまうと不利側の条件となっています.
でもご安心を .
ちゃんと,不利になるという前提で,呼び強度に安全率がかけてあり,構造計算上必要な数値よりも上乗せした強度がでるコンクリートを打設してあります.
実際,ちゃんと施工すれば試験をすると最低限必要な強度より大きな強度が出てきます.
このようにRC造の建物は安全方向にできるようになっているので,どこかで間違った解釈で,RCは地震に強いとなってしまったのでしょうね.(当然強い建物になっているのですが)
鉄骨造も木造も構造計算をすればどちらも地震に対して強い建物ができるのですが,安全率をみているのは設計段階だけで,このような施工段階でさらに安全率を上乗せするように決められているのはコンクリート造だけというのもありますが.
そして,いまの状況はこんな感じ.
呼び強度が出ているので,支保工と呼ばれる鋼管でコンクリートを支える必要は一般的にはないのですが,シンプレックスでは28日間ほぼ1ヶ月は支保工を外さないように現場にお願いをしています.
これも,現場での施工誤差の安全を見て,しっかり強度が出て固まった状態に持っていき,よいものをお施主さんにお渡しできるようにと思って,施工会社に無理を言ってお願いをしています.(施工会社さんからすれば,できるだけ早く外して,サッシュ工事や内装工事に取り掛かって,工期を短縮したいと思っておられますから.)
まだまだSIMPLEXの現場チェックは続きます!
お施主さんに良い建物を工務店から受け取っていただくために!